はじめに
特定技能ビザを持つ外国人の方々にとって、在留期間の更新は非常に重要なプロセスです。本記事では、特定技能ビザの更新に関する手続き、費用、注意点を詳しく解説します。更新を円滑に進めるためのポイントを押さえ、安心して日本での生活を継続できるよう、必要な情報をお伝えします。
特定技能ビザの在留期間と更新頻度
特定技能ビザは、特定技能「1号」と「2号」の2種類があります。特定技能1号ビザの在留期間は通常1年であり、更新が必要です。特定技能2号ビザの在留期間には上限がありません。技能の在留期間を理解し、それぞれの在留資格の適用条件や更新に必要な書類についても把握することが重要です。
特定技能外国人の方は、在留期間の更新を忘れずに行うことが重要です。更新を怠ると、不法滞在となる可能性があるため、十分注意しましょう。
特定技能ビザ更新の手続き
特定技能ビザの更新手続きは、以下の流れで行います。
更新申請の時期を確認（通常、在留期限の3ヶ月前から申請可能）
必要書類の準備
在留期間更新許可申請書の記入
出入国在留管理局への申請（オンライン申請も可能）
企業側と申請人（外国人）の役割分担は以下の通りです。
企業側：
雇用契約書の準備
納税証明書の取得
その他必要書類の準備
申請人（外国人）：
在留カードの準備（在留カードには1年、6ヶ月、4ヶ月などの異なる在留期間が記載されています）
パスポートの準備
証明写真の用意
更新に必要な書類
特定技能の更新に必要な提出書類は、企業側と申請人（外国人）それぞれで準備が必要です。提出書類を正確に準備することは、更新手続きの成功に不可欠です。
企業側が準備する書類
納税証明書
住民票の写し
特定技能雇用契約書
登録支援機関に委託している場合は、その証明書
申請人（外国人）が準備する書類
在留期間更新許可申請書
パスポート
在留カード
課税・納税証明書
源泉徴収票
これらの書類は、申請人の状況によって追加の書類が必要になる場合もあります。出入国在留管理庁のホームページで最新の情報を確認することをおすすめします。
オンラインでの申し込み
インターネットを活用して、オンラインでの手続きが可能です。365日24時間いつでも手続きができ、窓口に出向く手間を省きたい方にはオンライン申請がおすすめです。なお、システムの利用料は無料です。
申請者によって手順や必要書類が異なるため、対象となる利用者を確認しておきましょう。
【オンライン申請が可能な利用者】
所属機関の職員
弁護士・行政書士
公益法人の職員および登録支援機関の職員
外国人本人
法定代理人
親族（配偶者、子、父・母）
※外国人本人が申請する場合は、マイナンバーが必要です。
ここでは、所属機関・公益法人・登録支援機関の職員が申請する手順を紹介します。
【申請手順】
在留申請オンラインシステムの利用申出
オンライン申請
必要書類のアップロード
審査
結果の通知
新しい在留カードの受領（郵送）
まず利用申出書と必要書類を最寄りの地方出入国在留管理官署に提出して、審査を受けます。承認されたら、承認メールが送信されます。
手続きには1～2カ月程度かかるため、早めの対応が重要です。特に在留期間が切れる直前に申し込むと、手続きが間に合わない可能性があります。※在留期間満了日の当日に在留申請オンラインシステムで申請することはできません。
在留期間更新許可申請書について
在留期間更新許可申請書は、特定技能ビザの更新に必要な重要な書類です。以下の点に注意して記入しましょう。
記入内容の正確性を確認
必要事項をもれなく記入
変更点がある場合は、明確に記載
特定技能1号の在留期間は最大5年で、更新頻度についても注意が必要です。特定技能2号は、特異性があり、総在留期間に上限がない点が特徴です。
申請書の記入方法や注意点は、出入国在留管理庁のホームページで詳しく確認できます。不明な点がある場合は、登録支援機関や専門家に相談することをおすすめします。
更新にかかる費用
特定技能ビザの更新にかかる費用は、通常3万円から5万円程度です。ただし、以下の要因により費用が変動する可能性があります。
登録支援機関に委託する場合
企業単独型の場合
申請代行サービスを利用する場合
正確な費用は、個々の状況により異なるため、事前に確認することをおすすめします。
更新時の注意点
特定技能ビザの更新時には、以下の点に注意が必要です。
同一労働・同一賃金の原則を遵守しているか
特定技能ビザを更新する際には、「同一労働・同一賃金」の原則を遵守しているかが重要な確認事項となります。これは、外国人労働者が日本人労働者と同じ仕事をする場合、同等の賃金を支払うことが求められるという原則です。具体的には、以下の点を確認する必要があります。
賃金水準：外国人労働者に支払われる賃金が、日本人労働者と同等であること。
待遇の均等性：賞与や手当、福利厚生など、全体的な待遇が日本人と同じであるかどうか。
契約内容の整合性：労働契約書に記載されている条件が、実際の労働条件と一致しているか。
これらの点が守られていない場合、ビザ更新が認められない可能性があるため、事前にしっかりと確認し、必要に応じて修正を行うことが大切です。
前回の申請時からの変更点を明確に記載
特定技能ビザの更新申請時には、前回の申請時からの変更点を明確に記載する必要があります。特に、特定産業分野に関連する変更点を具体的に示すことが重要です。これには、以下のような変更が含まれます。
雇用条件の変更：給与額の変更、勤務時間の変更、担当業務の変更など。
企業情報の変更：会社名、所在地、事業内容の変更など。
本人情報の変更：住所の変更、家族構成の変更など。
これらの変更点を明確にし、必要書類とともに正確に申請書に記載することで、審査をスムーズに進めることができます。特定産業分野ごとの必要な書類や手続きについても言及し、変更がある場合は、その理由や背景も含めて詳細に説明することが求められることもあります。
必要な届出や支払い（社会保険、税金など）を確実に行っているか
ビザ更新の際には、外国人労働者に関するすべての法的手続きを適切に行っていることが確認されます。特に以下の点について、十分に注意する必要があります。
社会保険の加入：特定技能で働く外国人労働者は、日本の社会保険制度に加入する義務があります。健康保険、厚生年金、雇用保険などへの適切な加入と、保険料の納付が行われているか確認します。
税金の支払い：所得税、住民税など、外国人労働者の税金が正しく計算され、支払われているかどうかを確認します。過去に未払いがある場合は、更新手続きに支障をきたす可能性があります。
必要な届出の提出：雇用主が外国人労働者に関する必要な届出（例えば、転居や転職に伴う届出）を出入国在留管理庁に適時に行っているか確認します。これらの届出が適切に行われていないと、更新審査で問題になることがあります。
これらの点を確認し、適切に対応することで、スムーズな更新手続きが期待できます。
更新が間に合わなかった場合のリスク
特定技能の更新が間に合わなかった場合、以下のようなリスクがあります：
1. 不法滞在となる可能性
特定技能ビザの更新が在留期間の満了日までに行われなかった場合、その時点で在留資格が失効し、不法滞在の状態となります。不法滞在は、法律に違反する行為であり、日本国内における滞在が不正なものとみなされます。
即時に不法滞在状態：在留期間満了後は、すぐに不法滞在者として扱われ、法的保護が受けられなくなります。
労働の禁止：在留資格が失効しているため、就労することが法的に認められなくなります。
2. 罰金や退去命令などの罰則
不法滞在の状態が発覚した場合、日本の法律に基づいて罰則が科される可能性があります。これには、以下のような罰則が含まれます。
罰金：不法滞在に対する罰金が科されることがあります。罰金の額は状況によりますが、法律に基づいて厳しく処罰されることがあります。
退去命令：不法滞在が確認された場合、出入国在留管理庁から退去命令が発行され、日本から強制的に出国させられる可能性があります。この場合、本人の意思に関係なく、日本を離れなければなりません。
強制送還：さらに、退去命令に従わなかった場合や、重大な違反とみなされた場合、強制送還となり、日本への再入国が厳しく制限される可能性があります。
3. 今後の在留資格取得に悪影響
不法滞在や、それに伴う罰則を受けた履歴は、将来的な在留資格取得に深刻な悪影響を及ぼします。
再入国の制限：不法滞在や強制退去の履歴がある場合、日本への再入国が数年間にわたり禁止されることがあります。この期間は通常、5年間ですが、状況によっては10年以上に延長されることもあります。
次回のビザ申請が困難に：過去の不法滞在や罰則の履歴は、次回のビザ申請時に厳しく審査される要因となります。審査が通りにくくなり、新たな在留資格の取得が困難になることがあります。
信頼の喪失：過去の違反行為により、受け入れ企業や日本国内の機関からの信頼を失い、雇用やビザ取得の機会が減少する可能性があります。
これらのリスクを避けるためには、在留資格の更新手続きを早めに開始し、すべての必要書類を期限内に揃えて提出することが不可欠です。もし更新手続きに不安がある場合は、専門家や登録支援機関に相談し、早急に対応することが重要です。
更新申請の準備のポイント
スムーズな更新のために、以下のポイントを押さえましょう。
早めの準備を心がける
書類準備のチェックリストを作成
提出期限を確実に確認
不明点は早めに専門家や登録支援機関に相談
計画的な準備により、余裕を持って更新手続きを行うことができます。
まとめ
特定技能ビザの更新は、日本での継続的な滞在と就労のために非常に重要です。以下の点を再確認しましょう。
特定技能ビザは1年ごとの更新が必要
必要書類の準備と正確な記入
更新費用の確認と準備
期限内の申請
変更点の明確な記載
法令遵守の確認
計画的かつ慎重に更新手続きを行うことで、安心して日本での生活を続けることができます。
よくある質問（FAQ）
Q: 特定技能5年が終わったらどうなるの？ A: 通算で最長5年の在留期間が終了すると、原則として帰国することになります。ただし、特定技能2号への移行や他の在留資格への変更が可能な場合もあります。
Q: 特定技能ビザの更新はいつからできますか？ A: 一般的に、在留期間の満了日の3ヶ月前から申請が可能です。早めの準備と申請をお勧めします。
Q: 特定技能 何年いれる？ A: 特定技能1号の場合、通算で最長5年間滞在できます。特定技能2号に移行した場合は、さらに長期の滞在が可能になります。
Q: 特定技能ビザの更新手続きで行政書士に依頼するメリットは何ですか？ A: 行政書士に依頼することで、手続きの手間を軽減し、成功の可能性を高めることができます。行政書士は専門知識を持っており、適切な書類の準備や申請手続きをサポートしてくれます。また、サービス料の相場や具体的な金額についても事前に確認することができるため、安心して依頼することができます。
